【じんわり心に染みる名作】「どうしても触れたくない」がアラフォーの心を掴む理由

ゆーです。

アラフォーになってBLの世界に出戻りして、改めてその良さを噛みしめたのが、ヨネダコウ先生の『どうしても触れたくない』でした。

若い頃の私なら、「もっとドラマチックな展開を!」と求めたかもしれません。でも、この年齢になって読むと、「じんわりとした、日常の地続きにある切なさ」が、たまらなく心に染みるんです。

今日は、なぜこの作品が私たち大人のBL読者の心を掴んで離さないのか、個人的な見解を語らせてください。

1. 感情移入の深さ――大人になった「不器用さ」への共感

この物語の主人公、嶋と外川は、どちらも「不器用な大人」です。

嶋:人に壁を作り、孤独を愛し、トラウマから一歩を踏み出せない。「自分の殻を破れない大人」の代表です。
外川:一見飄々としているけれど、無遠慮な優しさを持つ。「相手を理解しようともがく大人」の姿があります。

私たちが若い頃と違うのは、この不器用さが「経験の重み」だと理解できることです。

昔ならただイライラしたかもしれない「もどかしさ」が、今読むと「ああ、わかる。大人になっても、こんな風に臆病になるんだ」と、自分の過去の恋愛の痛みと重なって、胸が締め付けられます。

「じんわりと効く」空気感――日常の描写のリアリティ

この作品の魅力は、ジェットコースターのような激しい事件が起こらないことです。物語の舞台は、オフィスという日常の空間。

特別なことが起こらない「地続きの日常」の中で、二人の関係が少しずつ、本当に少しずつ動いていく。
その「溜め」の描写が、大人になった私たちには最高にリアルで、だからこそ、二人が心を通じ合わせたときの感情の揺れが、強烈な感動として「じんわりと」体に染み入るのです。

派手なシーンよりも、静かな幸せの描写に思わず涙腺が緩んでしまう――そんな読み方ができるのは、私たち大人世代ならではの特権かもしれません。


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